もうすぐ七夕、園や家庭で何を読もうか迷っていませんか。
年齢や場面に合わせたお話の長さや表現、工作の取り入れ方で困る保育者や保護者は多いです。
この記事は幼児から小学生まで使える短編、紙芝居・ペープサート台本、替え歌や製作アイデアを分かりやすくまとめます。
年齢別の読み聞かせの工夫や簡単に作れる紙芝居の手順、当日チェックリストも具体的に紹介します。
準備や演出のコツが分かれば、子どもたちの目が輝く七夕にできます。
まずは年齢別短編から、すぐ使えるアイデアを見ていきましょう。
子ども向け七夕のお話

七夕のお話は、年齢に合わせて言葉や長さ、登場人物を変えると伝わりやすくなります。
ここでは年少から年長までの短編と、紙芝居やペープサート、読み聞かせ用の台本案を紹介します。
年少向け短編
短く、繰り返しのあるお話が向いています。
登場するのは、織姫と彦星の代わりに小さなねこやひつじなど親しみやすい動物にすると親しみを持ちやすいです。
たとえば、ねこちゃんが夜空の星をひとつ見つけて、友だちに見せたくて走るお話にします。
途中で「きらきら」と声をそろえて言う場面を作ると、子どもたちが参加できます。
最後はみんなで短冊に「またあそんでね」と書いて飾る、やさしい結びにすると安心感が出ます。
年中向け短編
少しだけ説明を加え、登場人物の気持ちに触れる内容が良いです。
織姫と彦星が一年に一度だけ会えることを気にして、どんな準備をするか話し合うお話にすると関心が高まります。
織姫は星に願いを込めて吹き流しを作り、彦星は川を渡るための小さな橋を探すという展開にします。
途中で失敗や困りごとを入れると、解決の喜びが大きくなります。
最後に二人が会って「また来年」と笑う場面で締めると、季節行事としての意味が伝わります。
年長向け短編
年長児にはやや物語性のある、因果や選択が分かるお話が向いています。
例えば、織姫が星の光を集めて天の川を渡ろうとするが、途中で大切なものを落としてしまう展開にします。
彦星がそれを見つけて助ける場面を作ると、互いの思いやりがテーマになります。
短冊作りや願い事の理由を登場人物が語ることで、子どもたち自身の願いにもつながります。
最後は二人が手を取り合って、また会えるようにみんなで力を合わせるという前向きな終わりにします。
紙芝居台本
紙芝居は絵と台詞のバランスが大切です。
場面ごとに絵のイメージとセリフを短めにまとめると演じやすくなります。
下の表は、5コマ構成の例です。
コマ | 内容メモ |
---|---|
1 | 出会いの場面 夜空の紹介 |
2 | 願い事を考える場面 短冊作り |
3 | 問題が起きる場面 星が消えかける |
4 | 助け合う場面 橋をかける |
5 | 再会の場面 みんなでお祝い |
各コマでは、絵の説明を一行にまとめ、台詞は短く繰り返しを入れると良いです。
ペープサート台本
ペープサートは動かせる人形を使って視覚的に見せる劇です。
小さな子どもは動くものに注目するので、手を動かす仕掛けを多めに用意しましょう。
台本は一行ずつ区切り、動きの指示も短く書くと演じやすくなります。
例えば、織姫が星を抱えて歩く場面では、星の人形を上下に動かしながら「きらきら」という掛け声を入れると効果的です。
幕の開閉や音のタイミングもあらかじめ決めておくと、安定した上演ができます。
読み聞かせ用台本
読み聞かせでは声の抑揚や間が重要です。
台本には本文と別に読みのポイントを入れておくと、誰が読んでも同じ印象にできます。
語り手のセリフと子どもと一緒に言う掛け声を色分けするなどの工夫も効果的です。
長めの説明は短く噛み砕き、問いかけを挟むことで集中力を保てます。
終わりには感想を聞く時間を設けると、物語の理解が深まります。
替え歌・わらべうた
替え歌やわらべうたは、参加型で七夕の雰囲気を盛り上げます。
簡単なリズムに合わせて歌える短いフレーズが向いています。
- きらきら星の替え歌バージョン
- 短冊ちぎりのわらべうた
- 橋をかけようの手あそび歌
歌詞は繰り返しを多くすると覚えやすく、手遊びと組み合わせると盛り上がります。
保育の現場では、季節の音楽として集団遊びに取り入れると定着しやすいです。
年齢別読み聞かせの工夫

年齢ごとに子どもの興味や集中力は大きく異なりますので、それに合わせた読み聞かせの工夫が大切です。
短い時間で楽しめる工夫や、少しずつ物語に導く方法など、具体的なアイデアを年齢別にご紹介します。
0〜1歳向け
この時期は五感で感じることが学びにつながりますので、声のトーンを柔らかくして語りかけるように読むとよいです。
ページをゆっくりめくり、絵を指さして目で追わせると視覚の刺激になります。
音の出る絵本や布絵本を併用すると、触る楽しさと安心感が得られます。
一度に長く読まないで、1回2〜3分を目安に、短時間を繰り返すことが効果的です。
抱っこしながら読むと安心して聞けますので、スキンシップを取りつつ読書時間を作ってください。
2〜3歳向け
言葉が増え、自分でページをめくりたがる頃ですので、参加型の読み聞かせが向いています。
繰り返しのフレーズやリズムのある文章を選ぶと、子どもがまねをして楽しめます。
身近なものに例えて説明したり、絵の中のものを指さして名前を問いかけたりすると理解が深まります。
- 指人形を使う
- ページを一緒にめくる
- 簡単な効果音をつける
- 問いかけを短くする
遊び感覚で短い問いかけを入れると集中力が続きやすくなりますので、無理に長く読もうとしないでください。
4〜5歳向け
物語の筋や登場人物への共感が育つ時期ですので、登場人物の気持ちを問いかける場面を作ると良いです。
少し長めの話でも楽しめるようになりますが、場面ごとに区切って話す工夫が必要です。
ねらい | 具体的な工夫 |
---|---|
集中力向上 | 短い場面で絵を見せる |
語彙の拡張 | 新しい言葉を指して説明する |
物語理解 | 登場人物の気持ちを問いかける |
読み終わった後に「もし自分が主人公ならどうする?」といった想像の問いを投げかけると、思考力や表現力の育成につながります。
小学生低学年向け
文字を読む力が育ちますので、読解の手助けをする読み聞かせに移行していくと学びが深まります。
物語の背景や時代の話を短く補足すると、内容への理解が広がります。
読みながら難しい語句が出たら言葉の意味を一言で説明し、自分で調べる習慣に導いてください。
読み終わったあとに感想を聞いて、短い作文や絵にまとめさせると表現力が伸びます。
グループでの読み聞かせなら役割を分けて演じる時間を作ると、さらに楽しみと学びが増えます。
紙芝居の作り方

紙芝居を作るときは、まず伝えたい「核」をはっきりさせると良いです。
短い場面の連続で構成することで、子どもの集中力を保ちやすくなります。
台本構成
台本は全体の流れをざっくり決めることから始めます。
導入で状況を描き、中盤で問題や冒険を見せ、終盤で解決や教訓を提示します。
各コマは一場面に絞り、登場人物の行動とセリフを短くまとめると効果的です。
繰り返しのフレーズや問いかけを入れると、子どもが参加しやすくなります。
台詞には間(ま)や強弱の指示を入れて、読み手が演技しやすいように配慮してください。
コマ絵制作
絵は大きく、はっきりした色使いが幼児には見やすくなります。
キャラクターの表情は誇張気味に描くと、感情が伝わりやすくなります。
用途 | おすすめ素材 |
---|---|
背景 | 厚紙A3または画用紙 |
人物 | ケント紙または水彩紙 |
細部装飾 | 色紙や布片 |
補強 | ラミネートまたはクリアファイル貼り |
色鉛筆や水彩で柔らかい質感を出すと、暖かい印象になります。
切り貼りで立体感を出したり、光る素材を部分的に使うと視覚的なアクセントになります。
簡易舞台作り
簡易的な舞台は素材を節約しながらも見栄えよく作ることができます。
持ち運びや設置のしやすさを重視すると、行事当日の負担が減ります。
- 段ボール枠作成
- 黒布または紙で背景張り
- 滑り止めつき台座
- 簡単な照明用クリップライト
- 収納用バッグ
段ボール枠は大きさを揃えておくと、コマ絵の差し替えがスムーズになります。
演出ポイント
語り手の声色やテンポを場面ごとに変えると、物語が生き生きとしてきます。
短い間を活かして、子どもの反応を引き出す問いかけを入れてください。
効果音や簡単な小道具を使うと、視覚と聴覚の両方で楽しめます。
子どもの目線に合わせた高さで舞台を設置し、視界を遮らない工夫をお願いします。
演出は過剰にしすぎず、本筋の物語が伝わるバランスを大切にしてください。
七夕の製作遊び

七夕にぴったりの製作遊びを年齢別や難易度別に紹介します。
保育園や家庭でそのまま使えるアイデアを中心にまとめました。
短冊工作
短冊作りは願いごとを書くという行為が中心になるため、年齢に合わせた工夫が重要です。
年少児には太めのクレヨンやシールを使って視覚的に楽しく仕上げてください。
年長児には折り紙やパンチを使った飾り付けで細かな作業を促すと良いです。
- 短冊用紙 折り紙 マスキングテープ ペン
- シール リボン パンチ
- はさみ のり 両面テープ
短冊に名前や願いを書く際は、手本を見せてから一緒に書くと自信がつきます。
吹き流し
吹き流しは七夕飾りの定番で、動きがあることで子どもたちの興味を引きます。
素材はカラフルな折り紙や和紙、リボンを組み合わせると見栄えが良くなります。
作り方は簡単で、幅のある紙を切って端を飾り、上部を輪にして吊るすだけです。
年少児向けには紙を長く切ったものを持たせて自由に絵を描かせてください。
年長児には切り込みを入れて複雑な模様を作る技術を教えると達成感が得られます。
安全面では、長いひもや細いテープが首回りに絡まらないよう配慮してください。
星のモビール
星のモビールは天井から吊るして動きを楽しめる工作です。
軽い素材を使うと風で優しく揺れる仕上がりになります。
パーツ | おすすめサイズ | 色の組み合わせ |
---|---|---|
紙の星 | 5cm〜12cm | |
糸 | 20cm〜40cm | |
軽いビーズ | 5mm〜15mm |
モビールを作る際はバランスが命です、長さや重さを調整して水平になるようにしてください。
透明糸を使うと星だけが浮いているように見えて、より幻想的な演出が可能です。
年齢に合わせて星の形を簡略化したり複雑に切り抜いたりして挑戦度を変えてください。
織姫彦星の小物
織姫と彦星をモチーフにした小物は、物語と結びつけやすく子どもが親しみやすいです。
紙コップやフェルト、布を使って簡単な人形を作ると遊びの幅が広がります。
目や服のパーツはシールや色紙で自由に装飾させると個性が出ます。
年長児にはフェルトの裁縫に挑戦させて、針と糸の扱い方を教えるきっかけにしてください。
小物を作ったら、短い劇やごっこ遊びに使ってストーリーを膨らませるとより楽しくなります。
ペープサート素材
ペープサートは簡単な人形劇ができる素材で、準備が手軽な点が魅力です。
厚紙にキャラクターを描き、割り箸やストローで持ち手を付けるだけで舞台が完成します。
表情や服装は子どもたちに自由に描かせると表現力が育ちます。
耐久性を上げたい場合はラミネートや透明テープで補強すると長持ちします。
演じる時のコツとしては、輪郭をはっきり描き、動きを大きく見せることを意識してください。
配布用にテンプレートを作っておくと、準備がスムーズになり当日の進行が楽になります。
おすすめ絵本(年齢別)

七夕にぴったりの絵本を年齢別にご紹介します。
読み聞かせの場面や製作と合わせるヒントも添えました。
0〜1歳向け絵本
この年齢は触って楽しめる絵本や繰り返しのある語りが向いています。
ページが厚くてめくりやすいボードブックや、鮮やかな色使いのものを選ぶと好反応です。
短い文でリズムのある絵本を中心にすると、赤ちゃんも集中しやすくなります。
内容は七夕にこだわらず、星や夜の風景を描いたものを取り入れて行事に繋げるのがおすすめです。
2〜3歳向け絵本
言葉がぐんと増えてくる時期ですので、登場人物の掛け合いや擬音がある絵本が喜ばれます。
七夕をテーマに導入するなら、短く親しみやすいおはなしを選んでください。
読み聞かせのあとに真似して歌ったり、簡単な工作に発展させると理解が深まります。
- いないいないばあ
- はらぺこあおむし
- たなばたさま
- おつきさまこんばんは
- きらきらぼし
4〜5歳向け絵本
物語性を楽しめる年齢ですので、織姫と彦星の話を丁寧に描いた絵本が向いています。
登場人物の気持ちや願い事について問いかけると、想像力が育ちます。
読み聞かせ後に場面ごとの絵を真似させたり、短冊作りを組み合わせると盛り上がります。
タイトル | 特徴 |
---|---|
織姫と彦星の物語 | やさしい語り |
星を探す冒険 | 想像力を促す |
願いごとの木 | 心の動きを描く |
小学生向け読み物
小学生には少し長めの読み物や歴史的背景に触れる本を用意すると深い学びになります。
織姫と彦星の伝説を地域ごとの伝承と比較する読み物もおすすめです。
星や天体についての図鑑や写真集を組み合わせれば、科学的興味も引き出せます。
読後に感想を発表させたり、短い作文を書かせると表現力が育ちます。
学年に合わせて難易度を変えれば、七夕の学びを広げることができます。
行事当日の最終確認リスト

行事当日の最終確認リストを用意しました。
準備物や時間配分、役割分担をもう一度確認しておくと、当日の進行がスムーズになります。
急な変更にも対応できるよう、予備の備品や予備案も準備してください。
以下は保育現場や小規模イベントで使いやすいチェック項目の例です、必要に応じて追加や順番の調整をしてください。
- 会場の出入口と導線確認
- 座席や動線の配置
- 音響とマイクの動作確認
- 紙芝居やペープサートの小道具
- 読み聞かせ用の台本と予備ページ
- 製作遊びの材料と予備品
- 子どもの名簿と保護者連絡先
- スタッフ配置と交代スケジュール
- 救急セットと常備薬の確認
- タイムスケジュールの印刷物
- 天候対策と屋外時の備え
- 片付け用の袋と清掃用具